偏屈じいさんの手芸屋さん
2012年 06月 15日
記憶をたよりにVia Lameの手芸屋さんをのぞいてみた。
ウィンドーには、特売ものがずらり。
それぞれに、
「リボン10メートル1.5ユーロ これ以上の価格にはできません」
などのコメントが。
のぞいてみると、偏屈そうなおじいさんがひとり。
おもしろそうなものがたくさん。
思い切って入ってみた。
いっかいひっくり返ってしまったような店の中は
ぐっちゃぐちゃ。
私にとっては宝の山!
値段をきくと、1メートル60セント、10メートル1ユーロ、
または半値とか、一山いくらとか、
他ではありえない価格。
「もう50年もこの仕事をしてきた。もうおしまいだ。」
と、売り切りごめんでやっているそう。
でもこれ売り切るのにまだまだ何年もかかりそう。
ゆまはあっという間に飽き、
箱にぐちゃぐちゃに入っているミシン糸を
ぽいぽい投げ出す行儀の悪さ。
それでもおじいさんは肝要だった。
ぐだぐだなゆまに、おじいさんは「いいものをあげよう」と、
表情を変えずに奥から小さな指輪を持って来て、
ゆまの指にはめた。
ほかにも「日本人がたくさん買っていった」という、
100年は経っているというカウボーイボタンをくれた。
「このオーバーオールにつけてあげるといい。」
と、ゆまの胸のあたりを指差す。
お礼をいって、翌日、ボタンをつけてまた立ち寄った。
少し表情をゆるめて、また奥から指輪を持って来てくれた。
そして今度はカウボーイと同じ箱から、ニワトリを一羽と、
てんとうむしをくれた。
相変わらずゆまはすぐぐだぐだになったので、
手早く用事をすまして、今度は一人できますとお礼をいって、
退散した。
偏屈おじいさんの手芸屋さん。
すみからすみまでじっくり見たいなー。
営業時間は、10:30~12:30、17:00~19:00。
まだまだお元気で、ずーっとやっていてほしい。